はじめに
薬膳(やくぜん)は、中国の伝統医学(中医学)の理論をもとに「食材の組み合わせで体を整える」知恵を体系化したものです。
食材や味を 五性(ごせい)・五味(ごみ)・帰経(きけい) という3つの視点で捉え、体質や季節に合わせて組み合わせます。
この考え方は、体のバランスを自然に調整し、日常の食事から健康をサポートすることを目的としています。
薬膳と聞くと「特別な食材」や「難しい調理法」が必要と思われがちですが、実際は身近な食材で十分に始められます。特にスパイスを取り入れることで、より手軽かつおいしく薬膳の良さを実感できます。
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五性・五味・帰経とは?
薬膳の基本的な考え方である「五性・五味・帰経」は、スパイスを選ぶ際にも役立ちます。
- 五性:寒・涼・平・温・熱の5つ。体を冷ますか温めるかの指標です。
- 五味:酸・苦・甘・辛・鹹(しおからい)。味の種類ではなく、臓腑への働きを示すサインです。
- 帰経:食材がどの臓器に働きかけやすいかを示します。
たとえば、シナモンは「温」、五味は「甘・辛」、帰経は「脾・腎」に分類され、冷えや代謝低下のケアに向きます。
スパイスが加わることで広がる可能性
私たちのキッチンにあるスパイスは、薬膳の視点から見ても非常に優秀な食材です。
- 香り成分で気(エネルギー)の巡りを促す
例:カルダモンの爽快な香りは、緊張をほぐしリラックスへ導きます。 - 温める性質で冷え対策
例:シナモンや生姜は血行を促し、手足の冷えや内臓の温めに役立ちます。 - 味の満足度を高める
スパイスの香りや刺激が加わることで、塩分や油を控えても物足りなさを感じにくくなります。
薬膳×スパイスを始めるメリット
初心者が薬膳×スパイスを取り入れることで得られるメリットは、以下の3つです。
- おいしく続く
香りや彩りが食欲を刺激し、毎日の食事が楽しくなります。 - ゆるく整う
体調や季節に合わせてスパイスを加えることで、冷えやむくみなどの軽い不調をケアできます。 - 家族も一緒に楽しめる
特別な食材を増やさなくても、日常の食卓にスパイスをプラスするだけで家族全員で薬膳をシェア可能です。
初めての人へのアドバイス
薬膳スパイスを始めるときは、「まず1種類」から試すのがおすすめです。たとえばシナモンをミルクティーに加える、陳皮を白湯に浮かべるなど、小さな一歩から始めましょう。
また、続けるコツは「香りを楽しむ」ことです。効能や理論だけにこだわらず、好きな香りや味わいを探してみると習慣化しやすくなります。
まとめ
- 薬膳は、五性・五味・帰経を軸に食材を組み合わせて体を整える考え方
- スパイスは香り・温め・彩りなどで薬膳の効果を高める
- 初心者は無理なく1種類から始め、香りを楽しみながら続ける
薬膳とスパイスを組み合わせれば、毎日の食事が「おいしいセルフケア」に変わります。
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